4月

市場では甘酸っぱい花の香りがプンプンで、春本番を体いっぱい感じています。日々、市場→ショップ・アトリエ→デザイン考案・デッサン・制作など花の仕事をしていると、普段の生活では感じ取ることのできない季節の訪れをストレートに受け取ることができます。
この時期は、ファッションブランドも立ち上げのシーズンだったり、新しいトレンドをユーザーにお届けする時期。ラダックでも、今期のトレンドや動向を見つめ、新しい流れをつくります。市場に行き、新種など、どんな花が出回っているのかチェックし、アトリエでデッサンを重ね、実際に生けて、そして皆様にお届けします。
今期ラダックでは、エレガントでモードな空気の中にある「間」を大切に花に向き合います。作りすぎず、色を多用せず・・・。だけれども色に深みを持たせ、あしらいの中に立体感と奥行きを出す。文章での表現はとても難しいですが・・・。ラダックのワークショップでは、私自身が生けた花をもとにレクチャーしたり、スタッフの生けた花で、皆感じたままに意見を発表したり。
もちろん、どの季節も例年どんな花が出回るか決まっていますし、大きく変わらないのですが、トレンドやテイストが毎年少しずつ変化しているわけで・・・。数年前の自分の生けた花を見ると、その時代背景や、自分の置かれた状況などがあぶり絵のように浮かび上がってきます。
本当に花はおもしろいものです。生きもの相手というのは二つとして同じ色や同じ背丈、枝ぶりがないので・・・。そして自分自身をあぶり出すようなものだから・・・。
仕事は大変だけれど本当に充実していて楽しく、やりがいを感じます。スタッフも、のびのび生き生きしていて、花という共通点で色々分かり合え、分かち合えることが多く、頼もしい存在でもあります。そして何より、花や緑の仕事、空間を彩る仕事が私にとっては一番生き生き表現できるものであります。
このような時代ですが、お陰様でで多くのお仕事をいただいており、本当に感謝しております。今は新しいクライアントのコーディネートに日々エキサイトしています。春の花と同じように、フレッシュな気持ちで人にも・・・花にも・・・向き合って、もっと、もっと感動をお届けできるよう、また頑張っていきます!

フラワーアーティスト垂水圭竹

幼少より茶道・華道を嗜み師範となる。株式会社竹中工務店インテリアセクションを経て、LADAKH flower studioを設立。
花とインテリアの関係に重きをおいたスタイルを得意とし、独特の色彩感覚と審美眼から生まれる花の世界は多くのメディアにも取り上げられる。インテリア・ファッション・ジュエリーなどトップメゾンのフラワーデザイン、企業や個人邸宅のグリーン・フラワーコーディネートなど幅広く手がける。また「花・グリーンのある豊かな暮らし」を提唱したフラワーレッスンも行う。

東京・南青山にアトリエを設け、名古屋・東京を拠点に活動の場を広げる。

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