2月、甘酸っぱい香りに包まれて

今年に入ってたくさんのプロジェクトが重なり、かなりハードでなかなか更新もできず、すみませんでした。
某ブランドの春のフラワーディスプレイ、某企業のコマーシャル撮影のデザインワーク、K邸・O邸のグリーンコーディネート、某企業のサロンのグリーン・フラワーコーディネートなどなど、夢の中でもお花に追いかけられるような?!素晴らしい日々です。

一方、花市場にはすっかり桜も出回り、早春の甘酸っぱい香りでたまりません。ここが私のリセットの場所。この甘酸っぱさをおなかいっぱいに吸い込むと、幼い頃に母と育てたヒアシンスの水栽培を思い出します。
アトリエにも自宅にもやはりたくさんの花があり、現在自宅では、市場で買ったヒアシンスの球根を育てているところです。満開に咲いた花が大合唱しているかのような姿を作りたかったので、25個ほどの球根を。色は白と濃紫の2色にしました。私の好きな色です。花が咲くのが楽しみ!

銅製のプランターに入れ、趣のある姿に。まずは葉のグリーンを楽しみます。毎日の水やりは子供を育てるのと似ていて、いい子になってね・・・愛してる!と頭をなでるのと同じようです。早くつぼみをふくらませてね・・・。早くぷくぷくの花を咲かせるのよ・・・。きれいな紫が出ますように・・・。みんな元気になあれ・・・と、仕事に出かける前に。優しい自分を取り戻せたような気のする(笑)至福の時です!!

ヒアシンスは日々ものすごいスピードで成長し、今まさに花盛りのよい時です。そこを通るだけで甘酸っぱい香りが舞い上がり、過去の記憶もよみがえり、えっ、何?と、金縛りにあったようにボーッとしてしまうくらい、デジャブのような・・・。皆さんも香水の香りであの頃を思い出す・・・なんてありますでしょ?それと同じです!

ジンチョウゲ・クチナシ・キンモクセイもそうです。それぞれ季節に出回ったり、街角で咲いている所を横切ると、甘い香りが舞い上がり、何とも言えぬ感覚に包まれます。ヒアシンスには早春の思い出、ジンチョウゲには春、クチナシは6月頃の。キンモクセイは秋の記憶がよみがえる。季節ってほんといいですね。

今の季節のグリーンは、本当に美しく清らかなものが多く、市場を歩いているだけでも心が洗われます。また、気に入ったものだけを仕入れるショップやアトリエは、心がワクワクする宝箱のような空間です。それらを用いてアレンジしたお花は自分の分身、我が子のように愛しい存在なのです。皆さんも花を育てたり、飾ったり楽しんでみてください。暮らしに季節を取り込むなんて、本当に素敵なことですね。ご家族やゲストはもちろん、きっとご自分が一番楽しめ、癒されますよ。

今月の私のレッスン「暮らしに花を」は、水仙(リプリート)・ヒアシンスをメインにゼンマイ・タニワタリなど。生徒さんにもそんな思いを伝えたくて旬の花材を組んでいます。サロンは春の香りがつんと香り、空気の澄んだとっても気持ちいい空間でした。大好きな生徒さんと花に向き合え、キュンと幸せな気持ちに包まれました!季節の変化が心を洗う。素晴らしいですね。

こういう時代だからこそ、花が持つエネルギーをスタッフや顧客の皆さんに届けたいです!がんばりますっ!

 

フラワーアーティスト垂水圭竹

幼少より茶道・華道を嗜み師範となる。株式会社竹中工務店インテリアセクションを経て、LADAKH flower studioを設立。
花とインテリアの関係に重きをおいたスタイルを得意とし、独特の色彩感覚と審美眼から生まれる花の世界は多くのメディアにも取り上げられる。
インテリア・ファッション・ジュエリーなどトップメゾンのフラワーデザイン、企業や個人邸宅のグリーン・フラワーコーディネートなど幅広く手がける。
また「花・グリーンのある豊かな暮らし」を提唱したフラワーレッスンも行う。
東京・南青山にアトリエを設け、名古屋・東京を拠点に活動の場を広げる。

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